薬剤師コラム
クスリと健康の週間特集コラム④腎臓を守るには?(腎臓が悪いと診断された方へ)
CKDの危険因子は心臓病や脳卒中の危険因子を重なっており普段からの食生活も重要になってきます。
高血圧・糖尿病・メタボリックシンドローム・過度の飲酒・喫煙・加齢・脂質異常・薬剤などが危険因子となってきます。日頃から注意しましょう。
① 減塩(一般的に減塩は皆さんに言えることです)
人間の体では過剰な食塩摂取で体内の食塩濃度があがるとすぐにそれを薄めようとする反応が起きます。その後、余剰な食塩は余剰な水分とともに腎臓から排泄されます。
しかし余剰な食塩を排泄することは腎臓の負担になってしまいます。
結局、排泄が遅れて体内に残った食塩は高血圧やむくみの原因になってしまいます。
腎臓の働きが低下するとより顕著に出てきます。
日本人の塩分の平均摂取量は13g 留萌では14gとかなり多いです。
推奨される塩分摂取量は6gとされておりますので減塩がかなり必要となります。
② 蛋白質を控える
3大栄養素といえば「糖質」、「脂質」、「蛋白質」です。
この中で蛋白質は生命活動を行うエネルギーとしてだけではなく、体の構成要素として大事な栄養素です。
しかし糖質や脂質と異なり、代謝を受けたあと代謝産物として「尿素」を腎臓から排泄しなければいけません。蛋白質を取りすぎると腎臓に負担がかかることが知られています。
また十分なエネルギーがないと摂取された蛋白質が体の中で有効利用されないため十分なカロリーが必要となってきます。それぞれ体に合った適量な摂取が必要となります。
③ 飲水と腎臓
「水分」は腎臓病の状況によって制限の内容が変わります。
尿を濃縮させて排泄する働きが低下した腎臓では、たくさん老廃物を排泄するのにたくさんの尿が必要になりますので、たくさん水分を摂る必要があります。
しかし、尿量が低下して摂った水分が排泄せずに体にたまってしまうひとは水分の制限が必要になります。人間のからだの60%は水分でできているという話はよく聞きますね。体液バランス異常のある人は体液量が過剰になるとむくんだり、心臓が水風船が膨らむように大きくなったり、肺に水がたまったりします。
心臓に負担をかけることは透析療法を受けることになったあとの生活にも影響します。
④ カリウムと腎臓
腎機能が低下すると腎臓からのカリウムの排泄が少なくなり、体に溜まってしまい「高カリウム血症」になります。
高カリウム血症は、突然死の原因となる心臓の不整脈を引き起こす可能性があるので腎臓病の患者さんでは野菜・果物を控えるように言われています。数値が高くない方は野菜や果物も必要以上に制限してしまうと望ましくない場合もありますので担当医に確認をして下さい。