薬剤師コラム

薬と健康の週間特集コラム④ 骨粗しょう症のおはなし

毎年10月20日は世界骨粗鬆症デーです。
今回は骨粗鬆症に対する正しい理解と予防法を学びましょう!

骨の中では「骨をこわす細胞」と「骨をつくる細胞」が働いており、このふたつの細胞の働きで骨は生まれ変わっています。
健康な骨では、この細胞の働きのバランスがつり合っているので、骨の量は一定で、強度が維持されています。

ところが、年齢とともに体の持っている再生能力が衰えると、「骨をつくる」能力が落ちていきます。
さらに、女性の場合は、閉経以降、骨を壊す働きを抑えている女性ホルモン(エストロゲン)が減少するので、どんどん骨をこわしてしまい、骨がスカスカになっていきます。
骨粗鬆症は自覚症状がほとんどありません。
気づかないうちに進行し、転倒やくしゃみなどのわずかな衝撃から骨折を起こして、初めて骨粗鬆症に気づくこともあるのです。

そんな骨粗鬆症を予防し、骨を強くするための三原則があります。
それは、食事日光浴運動です。

 

 

まずは食事です。
「骨をつくる栄養素」と聞いてまず思い浮かべるのがカルシウムかと思います。
しかし、実はカルシウムは体に吸収されづらい栄養素。
そのため、カルシウムの吸収を高めるビタミンD、吸収したカルシウムを骨に定着させるビタミンKなど、ほかの栄養素と上手に組み合わせていく必要があります。

カルシウムは、とくに乳製品がオススメです。他の食品に比べてカルシウムの吸収率が高いうえに、1回の摂取量も多いので、効率よくカルシウムがとれます。

ビタミンDが多く含まれている食材は、魚やきのこ類です。
きのこの中では特にキクラゲや舞茸にビタミンDが含まれています。

ビタミンKは納豆、ブロッコリー、モロヘイヤ、小松菜などに多く含まれています。
ビタミンKには血液を固める働きもあるため、血液をサラサラにするワーファリンやワルファリンという薬を飲んでいる方は摂取を避けてください。

次に日光浴です。
ビタミンDは、日光(紫外線)によっても皮膚で作られます。
紫外線は窓ガラスで吸収されてしまうので、屋内でのガラス越しの日光浴だと効果がありません。
夏なら木陰で30分、冬なら手や顔に1時間程度が望ましいです。

 

最後に運動です。
骨は物理的な刺激が加わると、微量の電流が骨に伝わり、骨の強さが増すと言われています。
そのため、ウォーキングやジョギング、階段の上り下りのような重力のかかる運動が効果的です。

しかし、冬になるとわざわざ外出してまで運動する気にもならないと思いますが、北海道では、雪国ならではの雪かきが始まります。
雪かきをすれば、雪は片付き、運動にもなり、日光浴にもなるため、骨粗鬆症予防においてはまさに一石三鳥と言えることでしょう!

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