薬剤師コラム

薬と健康の週間特集コラム⑤ 感染性胃腸炎

これから冬になるにつれてかかりやすいのが、感染性胃腸炎です。
実際、胃腸炎になったらどのように対処すれば良いのか、秋のうちに知っておくと良いと思います。

感染性胃腸炎とは、細菌やウイルスなどの感染する病原体による、下痢や嘔吐などを主訴とする感染症です。
冬では特に、ノロウイルスや、小児がかかりやすいロタウイルスなどが原因ウイルスとしてあげられます。

 

十分に加熱されていない食品を食べたり、家族が感染していて吐瀉物の処理を素手で行なったりすることで発症してしまいます。
家族の吐物を処理するときは必ず手袋をして行うこと。

ウイルス性胃腸炎に関しては主な特効薬はありません。
薬で症状を和らげる以上に、正しく水分をとることが重要となります。
糖分と電解質をバランスよく含んだ経口補給水などを嘔吐しないように少量ずつ頻回に摂取することが大切です。

 

嘔吐や下痢の症状が回復し始めたら、少しずつ食事をとっていきましょう。
乳製品や辛いもの、脂肪の多い食事は避け、消化しやすいお粥やうどんなどから食べ始めてください。

多くは自然と回復していきますが、めまいや立ちくらみなどの脱水症状がある場合や、血便や黒色便の場合、腹痛が悪化してきたり腹痛が移動して下腹部にある場合などの症状が見られたら受診してください。

原因ウイルスの一つである、ロタウイルスによる感染症については、予防接種のワクチンがあるため、乳児は接種しておくと良いでしょう。

ちなみに、胃腸炎時の脱水予防にもなる経口補水液は二日酔いにも良いのはご存知でしょうか。
1リットルのビールを飲むと1.1リットルの水分が体から出ていくと言われています。
体から水が失われるとき、同時にナトリウムやカリウムなどのミネラルも失われます。

経口補水液はそのミネラルのバランスよく取れるため、二日酔いには経口補水液が良いのです。
年末になるにつれ忘年会などお酒を飲む機会が増えるかと思います。
家に常備しておいて、二日酔いのときに飲むと良いですよ。

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