薬剤師コラム
花粉症と食物アレルギーの関係性 Part2
薬剤師のSです。
ここまで花粉と食物の関係性についてご紹介しましたが、
そこで注意が必要なのが漢方薬との関係性です。
漢方薬は生薬、つまり植物が原料でありますが、
食品と異なりアレルギー物質についての表示義務がなく、
しかも生薬名で記載されているため
非常に分かりにくいためより注意が必要になってきます。
【セリ科生薬】 ・・・シラカバ、ヨモギとの交差反応性
柴胡(サイコ) :補中益気湯、抑肝散、加味逍遙散 など
川芎(センキュウ) :当帰芍薬散、防風通聖散、抑肝散 など
当帰(トウキ) :加味逍遙散、当帰芍薬散 など
防風(ボウフウ) :防風通聖散 など
◆幅広い分野でメジャーな漢方処方に含まれています。
【バラ科生薬】 ・・・シラカバとの交差反応性
桃仁(トウニン) :桂枝茯苓丸、桃核承気湯 など
杏仁(キョウニン) :麻黄湯 など
◆婦人科や小児科でも使用される漢方処方です。
上記の他にも小麦、やまいも、ゼラチン(にかわ)
を使用した漢方処方も存在します。
ここで注意していただきたいのが、
花粉症患者さんが漢方薬を飲むと
必ず何か悪い作用が起こる、
ということではありません。
あくまでも可能性として、花粉との
交差反応性が漢方薬にも起こりうることがあり、
重度の食物アレルギーや花粉症を持つ患者さんは、
安易に漢方薬を使用することなく、
十分に注意する必要があるという点が重要です。
何か違和感を覚えたら服用を中止して
医師・薬剤師へ相談するようにしましょう。