薬剤師コラム
シックデイについて
シックデイについて知っていますか
シックデイとは
感染症などによる発熱、下痢、嘔吐や食欲不振のために食事が取れず、脱水やケトーシスになりやすく、通常の血糖コントロールが困難な状態。
ケトーシスとは?
血糖値が高いにも関わらずインスリン(血糖値を下げるホルモン)が働かないと、ブドウ糖が体内に入らず、エネルギー不足となります。ブドウ糖が入ってこない代わりに、体は脂肪を分解しエネルギーを獲得していきます。その際に、ケトン体という物質が出てくるのですが、このケトン体が増えると体が酸性に傾き、意識障害などを引き起こします。
この際に知っておくべきことは、「自分の使っている薬を休むべきかどうか」です。
薬よってとるべき対応が異なります。
参考にガイドライン上での対処を紹介します。(糖尿病診療ガイドライン2024より)
★あくまでもガイドライン上での話です。かかりつけの先生とシックデイの対処について話し合っておくことが大切!★
★自己判断での調節は危険です★
【インスリン】
中間型・持効型 → 原則継続する
追加インスリン → 食事量、血糖値、ケトン体に応じて調節する
頻回に血糖値/ケトン体を測定する
【経口血糖降下薬】
○インスリン分泌促進薬(SU薬・速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬))
→食事摂取が難しい場合は調整が必要。医療機関へ連絡。その時の状態により中止・減量を検討。
○αグルコシダーゼ阻害薬
→嘔吐、下痢などの消化器症状が強い時は中止する。
○ビグアナイド薬
→シックデイの間は中止する。
○チアゾリジン
→シックデイの間は中止することが可能。
○インクレチン関連薬
→現在明確な対応についてはガイドラインでは記載されていない。GLP1受容体作動薬については血糖自己測定値に応じてインスリンへの切り替えも検討。
○SGLT2阻害薬
→シックデイの間は中止
○イメグリミン
→シックデイの対応については明確ではないとされている。中止が望ましい。
予防は??
- ワクチン接種・手洗いうがい・消毒など感染症対策を行う。
- 脱水を回避する。(冬でも脱水になることがあります。)大量飲酒も脱水リスクになります。
- 体調不良の時はお粥・果汁・うどんなど食べやすい形でエネルギーを補給しましょう。
まだまだ感染症が猛威をふるっています。
まずは予防することが1番大切です!!!!
感染対策は今後も行なっていきましょう!