薬剤師コラム
春に向けて心も体も準備をしていきましょう
薬剤師のSです。
今年は節分が124年ぶりに2月2日だったことも話題でした。
節分はまさに「季節を分ける日」なので年に4日あるのですが、とりわけ立春の前日を指すことがほとんどです。
少し過ぎてしまいましたが、暦の上ではすでに春。
といっても北海道はまだまだ雪も多く気温も低い日が続きますが、これから先に待っている春に向けて、少しずつ心も体も準備をしていきましょう。
さて、春といえば、どういった症状が多いと思いますか?
漢方の世界で用いられる五行説では春は「木(もく)」に属します。
雪解けが進み、風が吹き、木々や草花が芽吹く時期です。
また、春は何かをスタートさせる、あるいは入学・卒業といった生活の転換が起こりやすい時期でもあります。
「木」に属する五臓は「肝」です。
ここで言う「肝」はいわゆる私たちが想像しやすい”肝臓”の働きの他にも、全身にエネルギーを巡らせたり、精神をコントロールするといった働きも持っています。
何かを始めるにはとても良い時期ですが、やり過ぎてもそれが負担となって、イライラしたり不安になったり、まさに上にある精神のコントロールに不調をきたす原因となってしまいます。
五月病のような症状も春特有と言えるのではないでしょうか。
逆に肝の働きが弱くなるとエネルギーの供給不足になり、筋肉のけいれんや足のつり、手足がしびれるといった症状も出やすくなります。
また、目や爪も「木」に属するため、風で舞い上がった花粉や土ぼこりなどによって目のかゆみが起きたり、栄養が行き届かなくて爪が割れたりすることもあります。
春に限らず、旬のものを食べることが食養生につながります。
春の山菜などは免疫力を高めたり、腸をきれいにして体内の毒素を排出する効果が期待できます。
もちろん食べ過ぎは良くありませんし、一部合わない薬もありますので注意しましょう。
また、酸味は肝に入るため、春に酢の物や果物を摂ることも良いとされています。
ただし酸味は胃への負担が大きいので、胃腸の弱い方は摂り過ぎないようにしましょう。
春は冬に溜まったエネルギーを外へ発散する時期でもあります。
ゆったりとした運動や散歩などを始めてみるのも良いのではないでしょうか?