薬剤師コラム
脱水
先日夜にランニングをしていると、遠くからキツネが向かってきたため慌てて逃げたところ、足がつってしまい少し怖い思いをしてしまいました。
もう少しで家に帰れるところで遭遇してしまったため、長い距離を走ったことで発汗により水分排泄が増え、また水分補給も怠っていたため、体内の水分バランスがくずれ正常な時よりも体液が欠乏してしまい足がつってしまったと思われます。
脱水とは体液が失われている状態、体内の水分および電解質が欠乏した状態のことです。
脱水の原因はおおまかに、水分の摂取不足と体液の喪失に分けられます。
水分の摂取不足は、意識障害や認知症の高齢者・乳幼児に多く脱水にならないように注意深く観察していく必要があります。
体液の喪失は、出血・発熱・発汗・下痢・嘔吐などで引き起こされます。
脱水時の対応として、単に水分をたくさん飲めばいいと捉えるのは間違いになります。その時の状況によって水分と電解質で対応していく必要があります。
軽い脱水の場合は飲水することですぐ回復しますが、体液濃度に近い電解質が含まれた飲料水の方が吸収されやすく、10度前後の少し冷たい方が効率的に吸収されます。
最近では経口補水液など脱水時の選択肢が増えてきていますが、日常的な飲料水として間違って飲んでしまっている方もいます。電解質の濃度が高くなっているため、腎臓病や心臓病など持病を持っている方や高齢者の方など特に注意が必要です。
脱水の症状としては、口の渇き、唇の乾燥、血圧低下、集中力の低下、めまいふらつき、頭痛、吐き気、食欲不振、脇の下の乾燥などがあります。日頃からそのような症状に注意しながら、日常においてこまめな水分補給を心がけることが大切です。
最近ようやくランニングしやすい気候になってきました。日中だけでなく夜間のランニングも脱水に注意が必要です。転倒やキツネにも十分気を付けて皆さん楽しんでください。